環境

地球環境

CO2削減への取り組み

株式会社リテールパートナーズでは、グループ会社におけるCO2排出量の算定と削減、また再生可能エネルギーの創出に取り組んでいます。リサイクル資源の回収や冷媒設備の入替等を行い、CO2の排出量削減に取り組んでいます。冷蔵冷凍設備を入れ替えることでCO2排出量の削減にも取り組んでいます。2021年度は下期を中心に12店舗(2021年4月に1店舗、2021年8月~2022年2月に11店舗)を入れ替えており、55.9トンを削減しました。2022年度は9月から6店舗入替え、325トンを削減しています。

再生可能エネルギーの創出

当社グループは、今後の新店舗や改装店舗において太陽光パネルの設置を進め、CO2の排出量削減に取り組んでいきます。

食品ロス削減

当社グループは、食品廃棄物の削減を重点課題と捉え、営業政策として発注精度の向上と商品の売り切りなどに努め、食品廃棄物の削減に取り組んでいます。
食品リサイクル法に対応し、魚類および食用廃油を中心とした残渣の回収・再生利用活動にも取り組んでいます。実施率は現在42.7%で、今後野菜くずの回収にも積極的に取り組みます。

リサイクル活動の拡大

食品包装容器リサイクルの取り組み

当社グループは、各店舗を食品トレー、牛乳パック、ペットボトルなど様々なリサイクル資源の回収拠点として店頭回収に努めています。2022年度事業会社3社で、食品トレーを374トン、古紙・ダンボールを1691トン、ペットボトル109トン、アルミ缶及びスチール缶48トン、牛乳パック61トンを回収し、エコトレーにリサイクルすることでCO2排出量を592トン削減しました。

海洋ごみ問題への取り組み

株式会社丸久において、2021年7月よりスタートした“ONE FOR OCEANプロジェクト”は、海洋ごみ問題の解決策を見出すために実施し、県民、行政、企業の連携による山口県初の取り組みとして始動しました。地域で資源を循環させていくという方向性の礎になればと考え、海岸清掃で海洋プラスチックごみを回収、これを原材料の一部としてテラサイクルが買い物かごを作成しています。2022年より協力企業が7社増え、合計10社(丸久、テラサイクルジャパン合同会社、日本水産株式会社、株式会社エフピコ、国分西日本株式会社、損害保険ジャパン株式会社、テーブルマーク株式会社、株式会社日本アクセス、フジッコ株式会社、丸大食品株式会社)で取り組んでいます。昨年導入分の3店舗に加え、山口県内5店舗、道の駅2店舗に導入しました。

“ONE FOR OCEANプロジェクト”の様子

食品くずを活用した農作物栽培の取り組み

株式会社マルミヤストアでは食品リサイクルループを構築しています。店舗で発生する食品廃棄物を堆肥化し、農家に依頼してシャインマスカットやスイートコーンを栽培し、店舗で販売しており、スイートコーンの収益金(1本あたり5円)につきましては、大分食育イベントに寄付しています。

TCFDに沿った情報開示

TCFDへの賛同

リテールパートナーズ及び当社グループ各社は、気候変動問題をサステナビリティ経営上の最重要課題と捉え、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しています。今後、気候変動問題に関しても優先して取り組むべきマテリアリティを特定し、対応を進めていきます。
リテールパートナーズ及び当社グループ各社は、2022年5月26日開催の取締役会において、金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」が、2017年6月に発表した最終報告(TCFD提言)に賛同することを決議しました。TCFD提言は、世界共通の比較可能な気候関連情報開示の枠組みです。当社グループは、「低炭素社会への貢献」に向けて、気候変動問題を経営課題と捉え取り組んでいきます。

TCFD提言が推奨する情報開示項目

TCFD提言に沿った情報開示は、一般にTCFD開示と呼ばれています。TCFD開示では、以下の4項目を開示推奨項目としています。

ガバナンス 気候関連リスク・機会についての組織のガバナンス
戦略 気候関連リスク・機会がもたらす事業・戦略、財務計画への潜在的影響
(2℃シナリオなどに照らした分析を含む)
リスク管理 気候関連リスクの識別・評価・管理方法
指標と目標 気候関連リスク・機会を評価・管理する際の指標とその目標
文献:経済産業省HP「気候変動に関連した情報開示の動向(TCFD)」より

開示推奨項目

1.ガバナンス

サステナビリティの推進体制として、「サステナビリティ推進委員会」を設置し、中長期的な課題の検討や方針の策定、気候変動による事業リスク・機会の共有や対策を決定し、進捗管理を行うこととしています。また、それらの結果は、経営会議への報告後、取締役会に報告されます。

サステナビリティ推進委員会

当社グループは、サステナビリティ基本方針に掲げた「地域のお客様の日々の暮らしを“より”豊かにする。なくてはならない存在として地域を支える。」という社会的使命実現のため、担当取締役を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、当社グループ全体の企業価値向上と社会の持続的発展に向け、様々な施策・活動をより効果的かつ積極的に推進します。必要に応じてグループ全社及び関係部署間の連携を図りながらSDGs達成に向けた取り組みを推進し、「誰一人取り残さない」持続可能な社会を2030年までに実現することを目指した国際目標の達成に貢献します。

サステナビリティ推進委員会の位置づけ(組織図)
コーポレート・ガバナンス模式図

2.戦略(リスクと機会の特定)

リスク
移行リスクとして 政策・法規制リスク

・炭素税の導入、プラスチック循環促進法等、温室効果ガス排出を抑制する政策導入

・温室効果ガス排出に関する情報開示義務の拡大

技術リスク

・規制強化に伴う新規設備、機材の入れ替え、事業運営コストの増加

市場リスク

・環境課題に対する消費行動、顧客意識の変化に伴う低炭素製品やサービスの需要増等への対応遅れによる成長機会の損失

・再生可能エネルギーの転換に伴う調達コストの増加

・気候変動に起因する感染症リスク増加への対応遅れによる成長機会の損失

評判リスク

・環境課題への対応遅れによる信用失墜、企業価値の棄損、罰金リスク

物理リスクとして 急性リスク

・気候変動から生じる自然災害による調達・物流ルート断絶、店舗・事業所の損害、営業停止に伴う製品・サービスの販売機会の損失

・気候変動から生じる感染症リスクの増加に伴う、店舗での販売機会の喪失

慢性リスク1

・気温上昇から生じるエネルギー調達コストの増加

慢性リスク2

・海面上昇から生じるエネルギー調達コストの増加

機会
機会 資源の効率性

・低炭素エネルギー源の利用による事業運営・物流コストの減少

エネルギー源

・新規技術利用に伴う、エネルギー調達コストの減少

・エネルギー高効率機器導入によるオペレーションコストの減少

製品・サービス

・環境課題に対する消費行動の多様化や顧客意識の向上に対応した商品・サービスの提供による事業ポートフォリオの再構築

市場

・伸長が見込まれる新しいマーケットの獲得

・ESG経営推進によるステークホルダーの評価、企業価値の向上

・気候変更に起因する感染症リスク増加への対応による新たな成長機会の拡大

強靭性

・災害に備えたエネルギー分散化などによるエネルギーレジリエンス(適応力)の確保

・再エネ・省エネ推進に伴う、エネルギー調達リスクの回避


3.リスク管理

気候変動関連におけるグループ全体のリスクの識別・評価・管理はサステナビリティ推進委員会にて、事業への影響を収集分析するとともに、気候変動の影響で大規模化する自然災害リスクに対する脆弱性を評価し、サプライチェーン・プロセスで想定される「商品調達」「商品の配送」「店舗営業」「顧客の来店手段」「廃棄物など非商品の移動」などの項目ごとに事業継続の観点から取るべき対応を協議します。

プロセス

4.指標と目標

現状分析シナリオ及び削減目標について

Scope1,2,3の温室効果ガス排出量算定の実施

2022年度のScope1,2,3の温室効果ガス(GHG)算定を実施しました。(詳細は後述)
カーボンプライシングの実施によりGHG削減に関わる費用対効果も明らかになりました。

Scope1,2,3の排出量(t-CO2)
排出量 割合
(t-CO2) (%)
Scope1 18,594.4 2.0%
Scope2 105,485.7 11.1%
Scope3 829,423.6 87.0%
合計 953,503.6 100.0%

財務的リスク削減と機会増進策(シナリオ分析)

グループ各社及び全体のScope1及びScope2の排出量算定を⾏うとともに、移⾏リスク、物理的リスクそして機会について、1.5℃シナリオと4°Cシナリオを実施しました。
更にインターナルカーボンプライシング及び炭素強度分析を⾏うことにより、具体的な削減効果やリスクを軽減するための⽅針を定めました。

1.5℃シナリオ

1.5℃シナリオでは、GHG 排出規制の強化、技術革新の進展、新たなエネルギーへの転換が起こると想定されています。これらが調達や販売のプロセスで持つ財務的リスクを削減し、機会を増進するためには具体策をとる必要があり、その際にはICPをシャドープライスとして活用し、低炭素上限額の中で資本を投入することが望ましいとされています。なお、大きな物理的リスクは想定されていません。

リスク・機会 指標
(説明)
サプライ
チェーン
影響度
(短期)
高70%~100%
中30%~70%
低0%~30%
影響度
(中期)
高70%~100% 中30%~70% 低0%~30% 影響度
(長期)
高70%~100%
中30%~70%
低0%~30%
移行
リスク
現行の規制 ・カーボンプライシング
・排出量報告義務の強化
調達 低 30.0% 中 70.0% 高 100.0%
売上 低 0.0% 低 0.0% 低 0.0%
新たな規制 ・カーボンプライシング
・排出量報告義務の強化
調達 低 0.0% 高 100.0% 高 100.0%
売上 低 0.0% 低 0.0% 高 100.0%
法規制 訴訟問題 調達 低 0.0% 高 100.0% 高 100.0%
売上 低 0.0% 低 0.0% 高 0.0%
技術リスク ・既存製品・サービス低排出製品・サービスへの置換
・新技術への投資の失敗
・低排出技術への移行
調達 中 40.0% 中 70.0% 高 100.0%
売上 低 0.0% 低 0.0% 高 100.0%

市場リスク

・顧客行動の変化
・需要の不確実性
・原材料費の上昇
調達 中 40.0% 低 30.0% 低 30.0%
売上 低 0.0% 低 0.0% 中 70.0%
評判リスク ・消費者の嗜好の変化
・セクターに対する非難
・利害関係者の懸念の高まり
調達 低 30.0% 高 90.0% 低 0.0%
売上 低 30.0% 低 30.0% 高 80.0%
機会 市場 ・新市場への参入
・新たな資産および場所への参入
調達 低 0.0% 中 70.0% 中 70.0%
売上 低 0.0% 低 0.0% 低 30.0%
レジリエンス ・再エネプログラムへの参加及び 省エネ対策の適応
・リソースの代替・多様化
調達 低 0.0 高 100.0 高 100.0
売上 低 0.0 中 50.0 中 50.0
資源の効率性 ・効率的な輸送手段の利用 ・生産・流通プロセスの効率化
・効率的な建物への移転
・水の使用量・消費量の削減
調達 低 20.0 高 100.0 高 100.0
売上 低 0.0 低 0.0 高 80.0
エネルギー源 ・低排出エネルギー源の利用
・支援的な政策インセンティブの 利用 ・新技術の活用
調達 低 20.0 中 60.0 中 60.0
売上 低 0.0 低 0.0 高 80.0
製品・サービス ・低排出製品・サービスの開発及 び拡大
・事業活動の多様化
調達 低 20.0 高 100.0 高 100.0
売上 低 0.0 低 0.0 高 100.0
4℃シナリオ

4℃シナリオでは物理的リスクが生じると想定されています。これらが調達や販売のプロセスで持つ財務的リスクを削減し、機会を増進するためには、以下のような具体策をとることが考えられます。その際、ICPをシャドープライスとして活用し、低炭素上限額の中で資本を投入することが望ましいとされています。なお、大きなGHG排出規制の強化技術革新の進展新たなエネルギーへの転換は想定されておらず、移行リスクも機会も小さいと考えられます。

リスク・機会 サプライ
チェーン
影響度
(短期)
高70%~100%
中30%~70%
低0%~30%
影響度
(中期)
高70%~100%
中30%~70%
低0%~30%
影響度
(長期)
高70%~100%
中30%~70%
低0%~30%
物理的
リスク
急性リスク ・台風
・洪水
・大雨
調達 中 53.8% 高 84.6% 高 92.3%
調達 低 0.0% 低 0.0% 低 0.0%
慢性リスク ・降水パターンと種類の変化
 (雨、雹、雪/氷)
・湿度変化(空気、淡水、海水)
・海面上昇
・水不足
調達 中 46.7% 高 73.3% 高 73.3%
調達 低 0..0% 低 0.0% 低 0.0%
財務影響への具体的対応策

● 自然災害、気温上昇などにより、インフラに悪影響が及び、電力価格の増大などのリスクがあります。
自然災害による電力価格変動の影響を緩和するため、長期契約による割引プランを利用するなどが考えられます。

● 自然災害、気温上昇などにより、原材料調達への被害が及ぶリスクがあります。自然災害の甚大化による交通機関への影響による原材料の調達に関するリスクへの増大や、原材料の不作による調達価格の高騰などを招く可能性があります。

● 取引顧客の業種(食料品等の分野)における企業の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。

インターナル カーボンプライシング及び炭素強度について
項目 短期(円) 長期(円) 備考
カーボンプライス \694,848,468 \1,326,624,970 Scope1+2の価格
\5,600 \10,692
(65.1€)
トン当たり取引価格
短期指標は再エネJ-クレジット弊社における価格、
長期指標はEU-ETS価格を参照
(2024年10月15日現在)
炭素強度指数
(t-CO2/億円)
52.85 \234,793,000,000 2022年度営業収益

カーボンプライスについては、Scope1,Scope2の排出量の合計に、国内で最も流通されているJクレジットの平均価格を乗じた数値としています(短期)。ただし、国際的に見て炭素価格は上昇傾向にあるため長期的にはEU-ETSの価格に近づくことが想定されます。そのため、長期価格としてEU-ETSの価格を記しています。
また、炭素強度指数については、Scope1,Scope2の合計値を対象年度の営業収益(単位:億円)で割ったもので、数値が低いほど優秀であるとされています。
当社グループでは、炭素強度指数を毎年低減させることが必要であると考えており、具体的なGHG排出削減目標を中期と長期で設定し、削減目標を達成させるための様々な具体的な対策を実施する予定です。

削減目標について

・GHG排出削減目標WB2℃水準

WB2℃水準とは、産業革命前から気温上昇を2.0度未満に抑制する目標(Well-Below 2℃)のことです。基準年から2030年までに30%削減が目安とされており、2022年度を基準年とすると、2030年に37,224.0 t-CO2(Scope1+2)削減する必要があります。

・GHG排出削減目標1.5℃水準

1.5℃水準とは、産業革命前から気温上昇を1.5℃に抑える目標のことです。基準年から2030年までに50%削減が目安とされており、2022年を基準年とすると、2030年に62,040.0 t-CO2(Scope1+2)削減する必要があります。

単位:t-CO2
現在の排出量
(Scope1+2)
目標排出量
(基準年:2021/目標年:2030)
削減量
(現在の排出量ー目標排出量)
備考
WB2℃ 124,080.1 86,856.1 37,224.0 2030年までに
30%削減
1.5℃ 62,040.0 62,040.0 2030年までに
50%削減
WB2.0℃及び1.5℃水準における削減量(Scope1+2)


  • ・ なお、1.5℃水準で削減を進めると、Scope1+2において、2038年にカーボンニュートラルを達成します。
  • ・ SBTiでは、Scope1及び2の削減目標設定は必須であり、Scope1と2の95%を網羅する範囲で目標設定することが望ましいとされています。Scope3も、総排出量に占めるScope3の割合が40%を超える場合は設定が求められています。その際、Scope 3の削減目標はScope3の3分の2以上をカバーする1つ以上の排出削減目標を設定することが求められています。

中期目標

● 2030年までにScope1,2のCO2排出量を50%以上削減する。(2022年を基準)
● 2030年までに主要サプライヤーの 60%に削減目標を設定することを促す。
● 2030年までにScope3のCO2排出量を30%削減する。(2022年度を基準)

長期目標

● 2050年にカーボンニュートラルの実現を目指す

削減目標達成のため、今後推進する取り組み

当社グループ内の取り組みだけではなく、サプライヤーとも連携し、CO2のさらなる削減に取り組みます。具体的には、下記の取り組みを推進していきます。


・削減目標を設定したサプライヤーからの調達量を増やすなどのインセンティブ制度の導入検討
・既存の電力契約の見直し(再生可能エネルギーの積極的導入)
・LED照明の導入
・再エネ電源の調達(太陽光発電、バイオマス発電など)
・非化石証書およびJ-クレジットの活用
・省エネ仕様の機材の導入
・電気自動車の導入

また、Scope3のCO2排出量削減については下記の取り組みを実施し、2030年までにScope3のCO2排出量を30%削減します。


・サプライヤーが削減目標を設定することで、更なる削減を促進
・LCA・CFP製品の購入を促進することでよ り正確な排出量算定を行う
・より排出量の少ない原材料の選定
・輸送経路や輸送手段の見直し
・廃棄物処理方法の精査、処理事業者の選定

WB2.0℃及び1.5℃水準における削減量(Scope3)